これから起業する若いプロデューサーと食事をする機会がありました。
「社長をやって良かったのは、俺が作りたい作品しかやらなくていいこと。それくらいかな」
笑われましたが本音です。今のところは。
僕が10年前に会社を立ち上げようとしたとき、親父には「いつまで遊んでいるんだ。家族のことも考えろ」と言われまして。
まあ、傍から見れば道楽ですよね。
傍から見なくても好きなことで飯が食えているんだから、こんな贅沢なことは無い、とは感謝しています。
でもですね、いつまでも遊び続けるには、ちょっと考えることもあるのです。
何故って、個人作家の作品でも無い限り、アニメーション制作は、とても多くの人を巻き込む道楽だからです。
制作に関わった全ての人が道楽のつもりなら、作品が認められず、食えないのも自己責任ですが、そんな阿呆ばかりじゃ無い。
道楽と職業、作家性と商品、プロダクト・アウトとマーケット・インを天秤にかけて、同じようなバランス感覚を持った関係者が集まることになるのです。
「道楽と職業」は、夏目漱石が明治44年に行った講演のタイトルです。
講演集『私の個人主義』に収められています。文豪曰く。
文学を生業としているけれど、世間に迎合して食っているわけじゃない。
自己本位の探究の結果が「偶然」世間に気に入られて、報酬を得られているにすぎない。
「偶然」職業として成立しているだけなのさ。
道楽本位の仕事の仕方が曲げられないのなら、パトロンがいなければ昔の禅僧程度の暮らしを覚悟するしかない。
世間に反響を起こして報酬を得ることができなければ、餓死するより他に仕方がない、と言い切っています。
そうだよねえ…。
あ、そうか! 逆に考えよう。
道楽と職業の間に存在する、社会的反響「偶然」を作り出すブラックボックスがプロデューサーの手腕なのか。
今まで僕が我儘にも作りたい作品だけを受けてきて、それでも経営が成り立っていたのは、「偶然」を創出してくれたPに恵まれたんだなあ。
今気付いた。
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火, 8月 2 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
昼過ぎに高岡市を走っていると、うどんが踊りながら落ちてくるようなゲリラ豪雨に見舞われまして。
ファミレスに車を止めて昼食をとりました。
アールグレイ・ティーを半分飲んだところで、緒花の好物を思い出しまして。
『これに、コーラを足すのか?』
ちょっと恥ずかしいので人目を避けつつ、半分コーラを足して飲んでみました。
『ぶうううう・・・・・・・不味いよ、緒花』
気の抜けた生温かいコーラに隠れたアールグレイ風味?
あの雨の日、緒花がファミレスで孝ちゃんと最後に飲んでいたのは、
ひょっとしてアイスティー+コーラだったっけ?
きなこもちチロルで口直しが必要です。
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土, 7月 30 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
東京P-10スタジオの地下は元々コンビニの倉庫でした。
そこをリフォームして5つの部屋を作りました。
会議室3、編集室1、資材室1。
最も使用頻度の高い会議室の名前は『ZEBRA ROOM』
本社とのネットミーティングもこの部屋で行われます。

何故『シマウマ部屋』と名付けたかといいますと、リフォームをお願いした高橋さんという女性から黒白斑模様の壁紙を薦められたからなんですね。
「これを貼ってシマウマ!!」
とても勢いのある女性なのです。
「じゃあ、これで」
壁には彼女の御尊父に書いてもらった書が飾られることになりました。
正しくは「やってシマ馬!」ではなく「貼ってシマウマ!」だったんですけどね。

ゼブラの隣は『PLATINUM ROOM』
何故『プラチナ部屋』かと問われても意味は特にありませ。

万年筆が頭に浮かんだから、かも。
そんな立派な理由でその隣は『トンボ部屋』です。
地下で文房具店が開けそうです。

トンボ部屋は畳に掘り火燵になっています。
休憩室ですね。制作はここで弁当を食べているようです。
岡田麿里さんにはこの部屋に泊ってシナリオを書いてもらったこともありました。

以前、夜行バスで上京したときには早朝この部屋で仮眠をとっていましたが、必ずといっていいほど奇怪な夢を見るんですね。
10年以上前に担当していた作品の絵コンテが未だ上がらなくて跳び起きたり…
納品して放映を見ていたら、画面に色指定の打ち込みが写って跳び起きたり…
呼吸は荒いし心臓はバクバクでした。
もう何年もそんなヒリヒリした夢を見なくなったなあ。
現場最前線との距離かしらん。
ちょっと寂しい。
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金, 7月 29 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。

23日に湯涌ぼんぼり祭りの点灯式がありました。
社に続く階段を彩る赤い灯が幻想的でした。
その日はぼんぼり祭りの本番ではないので、地元の関係者とのささやかな
儀式だと思ったのですが、なんとビックリ500人程の人々が見守る盛大な点灯式となりました。
作品中の架空のお祭りが、湯涌の人々の熱意によって現実のものになったのだ、ということを初めて実感しました。
新しく設けられた望み札掛けには、長蛇の列をなした参拝客によって粛々と札が掛けられていました。
恋やお金の切実な望みあり。望みになっていないものあり。
「豊崎愛生」…? それは望みなのか?

『花咲くいろは』の放映は秋に終了しますが、ぼんぼり祭りは今年だけのお祭りではありません。
作品を通してぼんぼり祭りのことを知ったファンや、温泉街を訪れる観光客が、
湯涌の方々と共に、これから一年一年歴史を積み重ねていくお祭りになって欲しいと思います。
10年後、20年後に、この小さなお祭りがしっかり地域に根付いてくれていたら、
そのキッカケとなった『花咲くいろは』の制作者として感慨深いものがあるのでしょうね。
点灯式に参加してみて、10月9日のお祭りがどんなにこの湯涌の温泉街を
幻想的な光景にするのだろう、そこに劇判M60が流れたら…と想像を膨らませずにはいられません。
ずっとアニメーションを制作してきたけれど、こんな経験はこれが最初で最後でしょうね。
今年のぼんぼり祭りが一生の想い出になるよう、作品も素敵な形で最終回が迎えられますように。
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火, 7月 26 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
最近ちょっと気になっている事がありまして。
制作が電話をしているとき、僕は聴き耳を立てるんですね。
それで状況を把握しているのですが、どうも最近は備え付けの固定電話ではなく、席を離れて子機や携帯で電話をする制作の姿を良くみかけます。
そんなとき僕は疑うわけです。
『むむむむ、何故席を離れる…人に聴かれたくないのか? なにかトラブったのか?』

先日制作の相馬に訊いて見ました。
「最近席を離れて電話をしているやつが多いよなあ。俺に聴かれちゃマズイ電話があるのか?」
「Angel Beats!のときは聴かれちゃマズイ電話がいっぱいありましたね。監督との電話は特に」
「何だとう!」

ま、それは過ぎたこと。
経験の浅い新人制作は、電話でどんな交渉をすればいいのか分らないと思うんです。
先輩は電話で相手とコミュニケーションをとりながら、スケジュールを詰めていく様を意図的に新人に聴かせるべきだと思うんですよね。
それで教える手間も省けるというもの。
新人は聴き耳を立てて、そこから交渉術を盗むのです。
堂々巡りの話をボソボソと繰り返したり、人に聴かせられない電話ばかりしている先輩に仕事ができる制作はいないのです。
スケジュール交渉もトラブルの対応も、快活に電話で話す制作ブースを目指そう。

そう考えると、『花いろ』音響制作会社マジックカプセルの田中理恵さんは身近なお手本です。
緒花の倍くらい大きな声かな。
辻Pと電話している会話の内容は、受話器を通して制作全員で情報共有できるほどです。
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水, 7月 20 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
みなさん、こんばんは。ホリコです(ФωФ)
早いものでもう7月も折り返してるじゃないですか……(`д´)汗 なんかあっという間に秋になってしまう気がします。そして冬が来てまた大雪に見舞われて……(ΘдΘ)
という、ちょっと悲しい話はさておき、本日とうとう奴が届きました。

3代目ペンタ。
モデル自体は去年のものですが、1400万画素、光学10倍ズーム、シーンに合わせた設定が多数あって便利ですし、何よりスタートアップが早くて驚きました。これでシャッターチャンスを逃がす事は少なくなるでしょう。
家に帰って早速試し撮りしてみました。

ドーン!!!
カメラに興味深々のうちの猫を素早く検知し、シャッターボタンを押さなくても写真を撮ってくれる3代目ペンタ。最近のデジカメって奴は…。

エントランス。

スタジオ、パシャリ。
やっぱり写真は楽しいですね。これからこのカメラで、沢山の思い出を収めようと思います。
今後の盗撮にこう御期待!
それでは本日はこの辺で失礼します。お付き合い頂き有難うございました。
ホリコでした(ФωФ)
水, 7月 20 2011 » P.A.WORKS Blog, ホリコのtrue tears写真館 » コメントは受け付けていません。
みなさん、こんばんは。ホリコです(ФωФ)
〇マゾンで購入したアイスランドのJon〇iというアーティストのCDが本日届いて幸せな気分に浸っています。
そのCDを聞きながら持込みに出かけたら、とても綺麗な夕日だったのでなんか感動してしまって、暫く空を眺めてしまいました。

真っ赤っか。
本日、ネタもイラストも残念ながら手に入らなかったので、個人的な音楽の話をしたいと思います。【イヤ、無理!特に興味なし!】という方はご遠慮ください…(ΩωΩ)謝
最近のMusicLifeは、朝出社する時に〇ild〇easts・〇hairlift・Ro〇ny、帰宅する時は、〇riendly〇ires・Ho〇〇hip等を聞きながら帰ります。聴いた事ある方いらっしゃいますか?
帰宅途中、もっと音楽を聴いていたくて、遠回りしたり家の周りを何周もしてしまいます。いつか不審車両扱いされて通報されないか心配です……(ΘωΘ) イライラすると〇arlin〇anson、センチメンタルな気分になると邦題【〇アノレッスン】のThe Heart 〇sks Pleasure Firstを聴いてシンミリしてしまいます。
ヘッドフォンで聴くのも良いんですけど、室内の空気が振動する感じも病みつきになります。でもアパートじゃ防音の関係で無理なので車が1番です……。
いつか、本社前のじょうはな座を貸し切って大音量で音楽が聴きたいです。それか皆でカラオケ大会。いつか宝くじが当たったらやります!買った事ないですけど(笑)
みなさん、音楽は好きですか? 何かお勧めの音楽があったら教えて頂きたいです(ΘдΘ)/!!!
それでは本日はこの辺で失礼します。お付き合い頂き有難うございます。
ホリコでした(ФωФ)
月, 7月 18 2011 » P.A.WORKS Blog, ホリコのtrue tears写真館 » コメントは受け付けていません。
先日取材がありまた。
アニメーションを産業で分類すると、サービス業でもあり、製造業でもあり、農業でもあるような…、とその場の思いつきで言いまして。
どのようなところが農業なのかと問われれば、現場や人を育てて体感していることかなあと思うのです。
15年程前に「俺は狩猟民族だけど、堀川さんは農耕民族だね」と言われたことを思い出しました。
種を撒いて、お天道様任せで育つよう祈っている姿でしょうかね。
「守株」では無いと思うのですが。

砺波平野の金色の麦(6月上旬)
『世界の食糧危機を救った男・稲塚権次郎の生涯』という本を読みました。
稲塚さんは1897年(明治30年)城端生まれ。米や麦の品種改良に功績を残した偉人。
彼が育てた半矮性(背丈の低い)の小麦農林十号が、戦後世界の食料危機を救った「緑の革命」に影響を与えたことで注目された人です。
農林十号の育種には約10年を費やし、この小麦が世界で脚光を浴びたのはそれから30年後のことなのだそうです。
信念と情熱と忍耐力があったのでしょうね。
著者千田篤さんの面白い考察がありました。
僕らの年代が幼少の頃に口ずさんだドリフターズの【誰かさんと誰かさん】という曲があります。
スコットランド民謡で、原曲の歌詞はロバート・バーンズの『ライ麦畑で』。
昔の麦は丈が高くて逢引には好都合。隠れてキスもできたからこの詩が生まれたけれど、
権次郎さんの小麦農林十号から短稈の小麦が世界に普及して、今では麦畑での逢引はできなくなった。
世界の食料危機回避が恋人達の邪魔をした、というもの。
アニメーションの人材育成は、これからの恋人達に何をもたらすのでしょうか。
タグ: 堀川
日, 7月 17 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
「富山の夏は涼しいの?」と訊かれます。とんでもない。
東京と変わりません。名古屋よりはましかな。
水を張った水田に囲まれた家はちょっと涼しいですけどね。
蒸し暑く窓を開放して寝ていると、朝から蝉の鳴き声に起こされます。
「五月蠅い」がうるさいなら、「七月蝉い」をやかましいと読ませては…。
途切れることのない、旋盤の切削音のようなこの蝉は何かな。
アニメの効果音でよく聴くのはミンミンゼミやヒグラシですが、この抑揚の無い
鳴き方はアブラゼミでもクマゼミでもなくニイニイゼミかしらん。
本社の三方を囲む山の上では積雲がぐんぐんと上に成長している様子。
山の斜面はもっと気温が上昇しているのでしょうね。
すっかり夏ですなあ。

ナガッチョPより
最近現場でアイスクリームの差し入れを頂くことが多くなりました。
恐る恐る体重計に乗ったら、3キロ減量のつもりが逆に2キロ増えていました。
腹筋継続に効果無し!
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土, 7月 16 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
みなさん、こんばんは。ホリコです(ФдФ)
暑い日が続きますが、皆さん夏バテのほうは大丈夫でしょうか?こんなに暑い日はかき氷でも食べたいですねぇ…。
と思ったら…

がちゃり…。

こっ、これはっ(`д´)!!!
食堂の棚から、かき氷器を発見しました。なんと準備の良い事か…。これでシロップがあればいつでもかき氷が食べれます。皆さんは何味のかき氷が好きですか?やっぱりホリコはいちご練乳ですかねぇ…(´д`)☆
かき氷……。。。夏スウィーツですね。
そこで城端スウィーツ情報です。本社近くのケーキ屋さんで売っている、夏限定の桃ケーキが今年も発売開始されました。夕方には売り切れてしまうので、興味のある方は朝イチで買いに出かけましょう!

まるごと桃を使ってます!
それでは本日はこの辺で失礼します。お付き合い頂きありがとうございました。
ホリコでした(ФωФ)/
土, 7月 16 2011 » P.A.WORKS Blog, ホリコのtrue tears写真館 » コメントは受け付けていません。