安藤監督から役者のみなさん一人一人に花束が手渡されて、『花咲くいろは』のアフレコは全て終了しました。
『花咲くいろは』の声優チームはこれで解散です。
喜翆荘のメンバー同様、家族的な繋がりを感じさせてくれるアフレコ現場だったので、ちょっと寂しくなります。
感傷にひたりたいところですが、映像はまだこれからが山場なので、一ヶ月後にもう一度スタッフが集まって作品の完成を喜べる日までお預けです。
アフレコ後にささやかな食事会をしました。
「スイは演じながら自分もいろいろと考えさせられる役でした」
スイ役の久保田民絵さんが思うところをいろいろ話してくれました。
頼りない息子の母であり、旅館の女将でもあり、自分がしっかりしなければならない立場なので弱いところも晒すことができず、
完成された人間ではなく、子供たちに後ろめたさもあり、今もずっと迷いながら選択をし続けている人間らしいキャラクターですよね。
『花咲くいろは』は青春お仕事ストーリーです。
お仕事ストーリーを作りながら、現実の仕事-足元に目をやってしまいます。
この現状で高邁なテーマを作品にする資格が自分にあるのだろうかと。
20年ほど前、ベテランの脚本家に「自分の出来ていないことをテーマとして語るのは何処か後ろめたさがあるものですか?」
と訊いてみたら、何も答えず笑われてしまいました。
同席していた監督に「お前は阿呆か」と。
今、自分が同じことを訊かれたら、質問にどう向き合うだろうか。
あの頃と変わっていないからなあ。
出来ていなくても、鞭打って無力感を乗り越える姿を晒そう。
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水, 8月 24 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
女性の制作は寿退社をすることが多いです。
仕事も覚えてこれから、という時に選択を迫られることが多いですね。
長続きせず人材の回転が早い職種なので、戦力を失うそんな時は僕も残念だなあ…という本音を抑えて祝福することになります。
まだそんな選択の機会は微塵も感じさせない女性制作と話していまして。
「私の理想は、家つき、庭つき、但し親と同居はダメ。三食昼寝つき、それから車も必要ですね」
「でもなあ、そんな男は選ぶ相手も選り取り見取りだぞ」
「私を選んでくれる人がいるかもしれないじゃないですか」
「自分で探すわけでもなく、そんな理想の男が【偶然】君の前に現れて?」
「はい」
「選り取り見取りの中から【偶然】君を選ぶと?」
「はい」
『よしよし。当分その理想を下げるなよ。まだまだ働けるぞ』
望み札に「マジ結婚!」と書いた女性もいました。
この制作強化の時期、背に腹はかえられまい。
出雲に神様が札を運んでしまう前に、お稲荷さんに油揚げの袖の下。
そっと湯涌の川に札を流しておいてもらおうかと。
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日, 8月 21 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
『花いろ』#20を見た後は無性にオムライスが食べたくなりますよね。
僕も昨年#20のシナリオが上がってから随分オムライスを食べました。
コレステロール値が上がるわけです。
本社の近くにあった『樽夢』は、今はもう無くなってしまったのですが、
昨年の秋、メニューに『とろとろオムライス』を見つけたときは、
「おお、これは!」と喜びまして。

ケチャップで‘LOVE’と書いて欲しいとお願いしたら、快く応じてくれました!

デヘッ。
#20の脚本打ち合わせ時、色んなアイデアが出された中に、民子と徹がキャンプファイヤーを挟んで向かい合う絵、なんてのもありましたね。
ライターの浦畑達彦さん曰く。
「その火を飛び越して来い!」
三島由紀夫の爽やかな青春小説『潮騒』にある有名な台詞ですね。
もし、本当にそんなことになっていたら、民子が徹に覚悟を迫るシーンになるわけです。
#20のラストにそんなシーンが追加されたら、残念ながら徹の答えは、
「俺が? 何で?」でしょうね。
これから学園祭のシーズンですが、キャンプファイヤーで火が着くカップルもいるのかしらん。
あ、飛ぶときは気を付けてくださいね。『潮騒』は小さな焚き火でしたから。
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土, 8月 20 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
みなさん、こんばんは。ホリコです(ΘωΘ)
今日は15日ですね。1カ月の半分が終わってしまいました。
城端の町では花火をする家族がチラホラ。お盆休みのせいか、町中で県外ナンバーを沢山目にします。
本社近くの猫を飼っているおばあちゃんと話していると、実家のおばば様を思い出すのであります。もう最後に実家に帰ったのはいつの事だったろうか……(ΘдΘ)
実家のおばば様との夏の思い出をふと思い出したので、紹介します。
【ホリコの突撃!自分に無茶振りイラスト館】開館です。
地元で1番大きな花火大会が実家の近くの海で催されるので、学生時代は浴衣をよく着せてもらいました。その時の思い出です。

ほらっ、踏ん張れ!
外出中に帯が緩むといけないので、毎回毎回、足蹴に……いえ…しっかり帯を結んでくれるホリコグランマ。
そのおかげで、どんなに走っても、どんなにはしゃいで飛び跳ねても、家に帰るまで帯が崩れた事は今まで1度もありません。
考えてみれば、浴衣も帯も、着付けも全てオババ様に準備してもらっていました。駄々をこねて買ってもらった金魚柄の青い浴衣、花火大会当日になって帯の色が気に入らないと言って、タクシーに乗って買って来てくれた帯は、今でもオババ様の箪笥の中に大事にしまっている事でしょう。
そう考えると、【あぁ……、ちゃんと実家に帰らないとなぁ】と反省するホリコであります。いつか帰れると思っていると、結局帰らなかったという事の方が多いので。せめて電話だけでもしよう。
学生の頃は【やっぱり実家が1番!】という言葉の意味がよく分かりませんでした。でも今ならよく分かります。
実家や家族は全てが無条件です。これがどんなに凄い事か。
皆さんは、お盆休みを家族と満喫していらっしゃいますか?
お仕事で帰省できない皆さんも多いかと思いますが、実家に1本電話を入れてみるのは如何でしょうか?
それでは本日はこの辺で失礼します。お付き合い頂き、有難うございました。
ホリコでした(ФωФ)/
木, 8月 18 2011 » P.A.WORKS Blog, ホリコのtrue tears写真館 » コメントは受け付けていません。
みなさん、こんばんは。ホリコです(ΘдΘ)
帰省ラッシュが始まったようですね。本社でも夏季休暇をとるスタッフが多くなってきました。
3D班のマルコも本日、帰省のため早めに仕事を終わらせて帰宅しました。
がしかし、10時過ぎになって。。。。

帰って来たマルコ。
ホリコ【何故帰って来た…(ΘдΘ)!?】
マルコ【電車が目の前を走っていきました……】
3D班【またかよっ!なんでお前はいつも10分後行動なんだっ!!】
帰省前に洗濯、食器洗いをし始め、切符を買うためにお札を崩しにコンビニへ。その結果、電車に乗り遅れたらしいです。ほんと、おバカです…。なんのために早く帰宅したのやら…。
マルコ【ホリコさん……砺波のバス停まで送って欲しいんですけど…】
ホリコ【ふぅ……(´д`)】

すみません…。。。
仕方が無いので、送っていきましたとも。
実家でお爺ちゃんが楽しみにして待ってるそうです。たんと家族孝行しておいで(ΘдΘ)/
はて、最後に実家に帰ったのはいつの事だろう……(´д`)
みなさんはお盆休みに帰省されますか??? 秋頃には1度ホリコも実家に帰りたいです。
それでは本日はこの辺で失礼致します。本日もお付き合い頂き有難うございました。
ホリコでした(ФωФ)
土, 8月 13 2011 » P.A.WORKS Blog, ホリコのtrue tears写真館 » コメントは受け付けていません。
各セクションのスタッフと直接話す機会が減りました。
先週たまたま電話をする機会があったので、「何か困っていることはありますか?」と訊いて見ると、ちょっと沈黙した後に訥々と話してくれまして。
そんな話が立て続けに他からも聴こえてきて、自分が色々見えていないことに気付かされた週末でした。
『怠慢だった~。この不満は氷山の一角だろうな…』
ずっとそのことを考えていまして。
春から新人制作が6人加わり、至らないところもあるのでしょう。
昨年新人育成の反省から作成した【新人制作マニュアル】は活用されているのだろうか。
火曜日の定例制作会議でそんな話をしてみました。
「判断の経験値の乏しい新人は、まずスタッフの話に耳を傾けて、ボコボコにされながら全部吸収しろ。不満を聴け。彼らが何を大切にしているかが解る。上っ面じゃなく話が聴ける奴は必ず伸びる」
「話しを訊いたら対応しろ。この制作に何度言っても無駄、と思われたらそれまで」
「先輩は後輩の成長に関心を持て。完璧な進行として飯が食えるのはせいぜい26歳まで。それからは自分がいることで制作チームのレベルが上がるような仕事をしろ。それができなければ進行予算以上に収入が上がると思うな」
「スタッフ、人の仕事に関心を持つ、と云うのは元々持っている資質かもしれない。もし、自分にはそれが無いと気付いたのなら、相当自覚して自分に強制しないと、仕事として上を目指すのは厳しいと思う。これは制作だけじゃなくどんな仕事をしても同じ」
暫くはそのことを制作会議の中心議題にすることにして、次回制作会議では自分がスタッフから受けた注意、苦情、不満を聞かせてもらうことにしました。赤裸々に。
僕の個人的失敗談ならいくらでも話せる。
問題点をリストアップするのは多分簡単でしょう。
そのほとんどは改善策もちょっとしたアイデアや気遣いでできるものでしょう。
問題は、一過性の取り組みにならず、どう浸透させるかなんでしょうね。
昔に比べて制作工程が煩雑になって、処理能力が求められるのは確か。やるべきことがポロポロと零れおちる。
そんな中で「関心」を継続させるのはどういうことか?
出来て当たり前のことでも効果が体感させられる手段は無いかしらん。
『花いろ』で旅館業のクレーム対応の取り組みも読んだけれど、そこには相当な時間と労力を割いています。
宅配業にもクレームが多いのは想像がつくけれど、巨大企業ではどんな方法で社員あるいは契約スタッフの教育を徹底させているのか興味が湧きます。
週末ずっと考えていたら、ふと気付いたことがありまして。
そう言えば、不満についてカミさんに訊いたことが無かった。20年以上一度も!
今更じゃね?いやー、でもなあ、ずっと仕事ばかりだし…。
俺、ネジ三本くらい欠損してるし。
やべー、人としてダメダメじゃね?
…上京するまでに訊こう。
「俺に、何か、不満がある?」
車中でたったその一言を切りだすのに、15分くらいモゴモゴ練習しなければ言葉に出せませんでした(笑)
こんなに勇気を振り絞ったのは何年振りのことか!!
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木, 8月 11 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。

本社5スタ―動画部屋は作画机を円型に配置にしたようです。
中心に立つとジオラマを見ているようで、グルグル廻りたくなりませんか?
横断歩道を行き交う人々を駅ビルの2Fにあるスターバックスから見ていると、真っ直ぐ前方を見据えて歩いている人は稀なんだな、と気付きます。
俯いたり横を向いたり、隣の人と会話しながら歩いていたり。
アニメーションで歩くモブは、みんな進行方向を見据えて真っ直ぐ歩いているでしょう?
首の角度にちょっとした工夫を加える手間が大変なのか、そこに関心が無いのかどちらなんでしょう。
最近『花いろ』のラッシュをチェックしていたら、香林高校の校庭や近江町市場を歩く3Dアニメーションのモブが、半年前より人間らしく振舞っていることに気づきました。
#16『あの空、この空』で女優末広広子の部屋から見えるトンビも、浜辺に打ち寄せる波も、2008年の『true tears』の頃より格段に豊かな表現になっているようです。
『ほお、ここまで出来るんだ』
できると分れば益々頼りたくなるのが監督というもの。
原画マンも美術も撮影も、どのセクションに対しても同じですね。
そこは喜んでいいはずだけど物理的には苦しいんじゃないかな(笑)
でもですね。
工程がデジタル化されて以来、マシンもソフトもどんどん進化して、表現の手法と作業効率が向上し続けている今、
作業効率の変わらないアナログな手描き作画は、いつか他セクションの進歩速度に歩調を合わせられなくなるのかしらん。
ならば、作画はどんな表現に特化していくかですね。
そんなことを考えた3D表現の進化です。
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水, 8月 10 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
学生の夏休みも半分終わってしまいましたね。
アニメーション業界でも9月に放映が終わる作品は、今月が最終話の制作のピークになります。
この頃になると音響スタジオには、ラストスパートを迎える作品のピリピリした情報が集まります。
そこで他社作品の遅れている情報を聞くとホッとしちゃうのが人間なんですね。
『なーんだ、まだ引っ張っても大丈夫なんじゃないの?』
なんて監督が妙な安心をしてしまったら大変。
そんなわけで、音響監督の明田川仁さんには、もし監督から他作品の状況を訊かれたら、情報には充分ご配慮くださいとお願いしているわけです。
だって。
監督…最終話の絵コンテの物量が短期間で終わるわけがない。
でも、逆に考えることにしました。
『true tears』、『CANAAN』、『花咲くいろは』とP.A.WORKSの原画マンを新人の頃から面倒を見てもらった監督に、
今ならこの期間でこの内容が作れる、と、頼りにしてもらえるくらいの戦力にはなったんだな。
これからとてもヒリヒリホットな一ヶ月になりそうですが、まあTVシリーズの最後はいつもお祭りですから。
パーっと。
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月, 8月 8 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
記録をパソコンに頼るようになると漢字が書けなくなりますよね。
日本人なのに情けないやら腹立たしいやら。
このままではボケが進むばかりだと焦りもあり、最近何冊かノートを買いました。
作品ごとに1冊。アイデアや考察を書きとめるようにしています。
ネットに頼らず埃を被っていた国語辞典を引っ張り出しました。
類義語はネット検索の方が便利ですけどね。
辞書を引く度に日本人を少し取り戻したようで気休めになります。
#18「人魚姫と貝殻ブラ」のアフレコは、全編収録後になこちのカラオケ「この広い野原いっぱい」を収録しました。
放映ではその一部しか聴こえないのですが、いやあ、収録は癒されました。
♪一つ残らず~、あなた~に、あ❤げ❤る❤♪
ムギュッ!!ときた。
この歌い方、理屈じゃなく心にムギュッときた。
地上を目指す人魚なこちの横顔とED曲の入り方が気にいっています。
スタッフの中入りでクラムボンのミトさんにお会いした時にも、「#18のED見てください」と伝えましたが喜んでもらえたかしらん。
これから香林高校学園祭前後篇に突入します。
高校時代に学園祭を経験したことがないので、どこか憧れるものがあります。
高校の舞台の参考にさせて頂いたのが金沢の美大だったので、購買部に漂う絵具の匂いがとてもモラトリアムに思えて(笑)、ああ、遠い過去の懐かしい空気だなあと。
本社のアニメーターにも美術系の学校出身者が多いのですが、みんなこんな匂いのキャンパスで青春を謳歌していたのでしょうね。
#20の「青春よねえ…」の余韻EDもお気に入り。
タグ: 堀川
金, 8月 5 2011 » P.A.WORKS Blog » コメントは受け付けていません。
みなさん、こんばんは。ホリコです(ΘωΘ)
気がつけばもう8月…。あれ…?先月は何回ブログを更新したのだろう……。そして何回【無茶振りイラスト館】を開館したのだろう……。
デカ付箋を渡しておきながら、上がりを取りに行かずに7月が終わってしまいました。ごめんなさい…。
7月最終日までホリコを待ち続けた新人動画マンが1人。本日はそんな彼のイラストを紹介します。
それでは【ホリコの突撃!無茶振りイラスト館】開館です(ФωФ)/
今年の4月に入社してきた新人動画のSMT君。別名【カニ王子】です。
4月に記入してもらった自己紹介文がコチラ↓↓↓

色々気になる自己紹介文。
カニが好きだというので、
【よく水族館に居る、物凄く足が長いカニってなんて名前なの(ΘдΘ)???】
と聞いていみた所、名前を教えてくれました。確か、アシナガなんとかガニと言ってたと思います。日本のどこかの海の底に住んでいて、大行列を作ってゆっくり移動するので、すぐ食べられちゃうらしいです。
(という話を、友人に教えてあげたら【一番肝心な所をことごとく覚えて無いじゃないか!】と怒られました。カニは食べる方が専門なので……(´ω`)↓)
そんな彼が描いてくれたイラストがコチラです。

やはり、カニか…。
明日は彼の誕生日。実家からカニが送られてきたりするのでしょうか(´д`) 今度、彼にカニの話を振ったら、ちゃんと名前を覚えられるようにしようと心に決めるホリコでありました。
何はともあれ、お誕生日おめでとうございます、カニ王子!これで君もPA王子軍団の仲間入りだ!
それでは本日は、この辺で失礼します。お付き合い頂き有難うございました。
ホリコでした(ФωФ)
水, 8月 3 2011 » P.A.WORKS Blog, ホリコのtrue tears写真館 » コメントは受け付けていません。