P.A.WORKS Blog

有頂天日記 9月25日

 日曜日に山路を登りながら、こう考えた。
毎週日曜日の夜に【有頂天家族】二話連続配信を見るのもいよいよ残すところ最終回のみか、と。

「【半沢直樹】は放映で見て、【有頂天家族】は秋の夜長にBlu-ray or DVDで見ようかな」
そう考えていたみなさん! 森見登美彦氏のブログでもご紹介いただいているとおり、第1巻は本日発売です。

 高度に伏線が散りばめられたこの物語。
見る度に発見があるこの物語。
見終わると続きが見たくて止まらなくなるこの物語。
どうぞお手元に置いて何度でもお楽しみください。ませませ。


写真は日曜日にP.A.WORKSワンゲル部で立山を縦走した時のものです。

 雑誌spoon 10月号に掲載されていた森見登美彦氏のインタビューを読んだら、「(小説第二部は)アニメが終るまでには終わりたいと思っています」と書いてありました。

週末の一挙上映でお会いしたら、「本当ですか先生!?」と訊くつもりでしが、氏のブログで先手を打たれていました(笑)
いや、最近ブログが更新されなかったので第二部の執筆も佳境なんだなと…

 毎週日曜日の配信を見ながら個人的に考えたことを有頂天日記に記録していたのですが、10話の視聴を終えたところで煮詰まってしまいまして。
森見作品のヒロイン像について考え始めたのが、どうやら僕には荷が重かったようです。

 清楚でちょっと不思議、でも芯はしっかりしている黒髪の乙女系ヒロインと、謎多きS系サブヒロイン。この二つの女性像と氏との関係についてですね。
森見登美彦氏の深層に隠れている深窓の御令嬢をチラリとでも覗いて見たかった。
もしその女性像を知ることができたら、総一郎がなにゆえ弁天の前では化けられないのか、海星はなにゆえ矢三郎の前では姿を見せないのかを解く鍵になるのではないかと適当に当たりをつけていたのですが…未だ考えがまとまりません。
考えはまとまりませんが、時間をかけて『森見作品のヒロインの謎』のピースを一つ一つ集めてみようと思います。

 【有頂天家族】の制作を通して気づいたことが一つ。
『深く楽しめる作品は魅力的な【謎】に満ちている』ということです。
これは今後の作品作りに良い示唆を与えてくれたと思います。

 物語の世界を冒険する登場人物に同伴して、読者や視聴者は物語から湧いてくる『なにゆえ』の世界を冒険する。
自身の内面を冒険して登場人物(作者)と交差する解答を探る。
それも物語の楽しみ方の一つじゃないかと気づきました。

 会議に上げられた物語について検証するとき、最近はとりあえず、なにゆえ、なにゆえ、なにゆえ、なにゆえ、なにゆえ、なにゆえ、なにゆえ…といっぱいキーボードを打ってみます。
この物語はどれくらい魅力的な『なにゆえ』を蓄えているかを書きだしてみるんですね。

 僕が毎週【有頂天家族】を視聴しながら頭に『なにゆえ』をいっぱい浮かべて妄想を楽しんだように、今企画している作品も僕自身が『なにゆえ』を楽しめるかを知るためです。
その『なにゆえ』に個人的解答があるかどうかを考える前に。

 もう一つ『なにゆえ』で気づいたこと。
作り手にとっては数年間心血を注いだ企画であったとしても、エンターテインメントは観る側にとっては一過性の娯楽作品でもあります。
僕も2時間の映画を観て『ん?』と考えることはあっても、観終えて1日もすれば『なにゆえ』を深く考えることなく『ああ、面白かった』でほとんどは済ませてしまいます。
ところが、TVシリーズは毎週繰り返し、1クールで13回も視聴するものだから、忘れかけた『なにゆえ』が毎週視聴中に復活するんですね。
僕にはこれがいい。直ぐには考えがまとめられなくても、3カ月かけてゆっくり謎解きを楽しめるのです。
TVシリーズ万歳!!

 そんな訳で、謎多き魅力的なヒロイン像と森見作品の関係は、僕の『ゆっくり考えたい、なにゆえリスト』に書き加えられたのです。

 そして…
なにゆえ総一郎は弁天の前では化けられなかったのか?
なにゆえ海星は矢三郎の前に姿を現さないのか?
【有頂天家族】第二部が発売されるまでには個人的解答に辿り着きたいなあ。

堀川

水, 9月 25 2013 » P.A.WORKS Blog

Top Footer