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頭の中のガスの元栓

 朝。富山本社の食道に顔を出すと、動画マンと3Dスタッフがテーブルを囲んでおりました。
何の集まりだろうと、自販機の珈琲が注がれる間チラッと遠巻きに見ていました。
『ははん、これが噂に聞く朝の10分課題だな』

 毎朝始業前に一つお題が出されて、実物を見ず、何も調べず、自分の記憶を頼りに10分間で描いてみる、という『ゲーム』感覚のドリル?が昨年9月から続けられているようです。
アニメーターには日常の観察力が求められますからね。

 この朝の会をまとめている設定デザイン部の宮岡真弓に訊いてみると、今までの提出課題は全てデータとして保存されているということなので見てみました。

 例えば、コンセントプラグ、洗濯ばさみ、爪切り、穴あけパンチ、消火器、城端の信号機、寮の蛇口、本社スタジオのゴミ箱、火災報知器、TARI TARIの鈴、傘の骨、本社のテレビのリモコン、自分の携帯電話、扇風機の羽、100円ライター、モップ、卵のパック、急須、泡立て器、脚立、扇子、ドアチェーン、ガスの元栓・・・・

 こうしてみると、普段使用している物でも細部の構造を描こうとすると、『んん?』と思うものもありますね。
しかし、毎日身の周りのものからお題を考えるのも大変そうですな(笑)、いいぞいいぞ。
確かに、この習慣をずっと続けていたら、日頃の観察習慣は自然に身につきそうですね。

 昔、大塚康生さんが来社されたときにも記憶で描くゲームをやったことがあります。
その時僕は、「本社近くの信号機とその下に立つ人」、とか「城端線の線路をまたぐ人」、といったお題を出しました。
仕事で描いたレイアウトを見ていると、風景と人物の対比が適当なのが気になっていたからです。
ドアと人物の対比とか、ドアノブの高さとかね。

 作画部部長の吉原によると、意外に3Dスタッフの描く絵が面白いとのこと。
モノの構造、特に可動部の構造に拘るところは3Dスタッフらしいんですって。

 それと、10分間とはいえ、絵を描くプロとして「人に見てもらう絵が描けているか?」というのもポイントらしいですよ。
提出された課題を参加者全員で囲んで、宮岡が一つ一つの評価をしていました。
人に教えられるようになることで自身も一歩成長すると思います。

 そんな訳で、僕はこっそりフォルダー内のデータを覗いて、みんなの頭の中のモノを見る楽しみが増えた訳です。

土, 2月 2 2013 » P.A.WORKS Blog

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