P.A.WORKS Blog

木曜定例制作会議は続く

 毎週木曜日の午前中は定例制作会議。
今年の夏からは『制作はもっとアニメーション業界のことを知ろう』が課題。
新人制作の育成を兼ねています。
 自分で考えて発言する機会を増やすように、テーマを決めてディスカッションをしています。
新人も意見を出しやすいように、参加者を経験年数ごとに3、4人のグループに分けてみました。
グループの中にラインPが入ったりすると、新人は聞くばかりになっちゃいますからね。
経験が違えば話す内容だって違う。PはPでまとまってディスカッションをします。
このグループ分けだと発言も活発になるようです。
昔やっていた各作品進捗状況報告会議―朝から説教つき、よりも十倍健全です。

 ここ数か月の中心テーマは、アニメーターをとりまく現在の環境について。
新人制作も【RDG】を担当しながら日々現実とぶつかります。
その中でも、新人アニメーターの技能向上を考えるとき、僕ら制作に何ができるだろうかを考える機会。

 まず、いろんな立場の視点と短期、中期視点で考えてみました。
制作視点で見た場合、何が問題になっているか。どうしたいのか。
短期視点でやれることは何か。中期視点でやれることは何か。
これらを各グループでディスカッションしたことをまとめます。
企業経営的に判断するところは僕が決めます。
それらをP.A.WORKS制作のアニメーター育成方針として、制作全員が共有します。
制作はこの基本方針を判断基準にしていく。

 今週はもうひとつ。もし自分がアニメーターだったら、あるいは演出だったら、現状なにが問題なのか、どうしたいのか。
短期視点、中期視点で何をするべきか。
 アニメーターと演出になったつもりでディスカッションをしてみました。
 僕らがアニメーターだとしたら、どんな環境やシステムを望むのか。現状の問題点は何か。
将来を考えた場合、どんなアニメーターをロールモデルとするか。
何歳まで現役アニメーターとして一線で仕事を続けたいか。その歳での収入はいくら必要だと思うか。
出来高の場合はいくら稼げると思うか。
体力的にも生産量は落ちると考えて、必要な額との差額を埋めるためには何が必要か。
何故描き続けるのか。どんなときに達成感を得るのか。日々のモチベーションはなにか。
 新人アニメーターにとって、ちょっと先の目標も大切ですが、日々の仕事の中に見出す喜びがないと、一日中机に座って何年も続けられない職業だと思います。
好きな絵だけではなく、仕事として描き続けることのモチベーションってなんだろう。

 少し前のブログで、僕が制作を続けられているモチベーションは、
「ものを作っている現場に参加しているだけで幸せだと思えること。刺激的なものを作り続けたいと思えることだけど、きっとこれは教えられるものではないです」
と書いたけれど、もっとよくよく考えれば、教えられないことでも、それが生まれやすい条件が作れるんじゃないかと思いまして。
エドワード・L・デジ&リチャード・フラスト著【人を伸ばす力】原題【WHY WE DO WHAT WE DO】という本を読んでみました。

 アニメーターが毎日描き続けながらやりがいを感じること=内発的動機というのだそうですが、そのファクターは、自律性への欲求と、有能性への欲求と、関係性への欲求なのだそうです。
本に載っていた研究結果は、制作現場の体感として納得できることと、ちょっとアニメーションの仕事ではあてはめられないんじゃないかと思うこともありそうですが、これら内発的動機づけの要因をアニメーターや新人制作に置き換えて、動機と結果を結びつけるアイデアを実践する試みは面白そうです。
そのうちこれも木曜定例制作会議で話し合おう。

金, 11月 9 2012 » P.A.WORKS Blog

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