P.A.WORKS Blog

「先輩は新人に何を教えているの?」

 入社して数か月もすると新人制作も担当話数を持つことになります。
スケジュール管理とスタッフとのコミュニケーションが本格的に始まります。
その頃になると、新人制作の失敗やトラブルがスタッフを通して耳に入ってくるようになります。

「先輩制作はいったい何を教えているのか?」
今までそう言われる度に、どんな失敗なのかを訊いて教えたり、新人制作用のマニュアルを作ってみたり、集中的に研修期間を設けたり、新人一人に対して担当の先輩を一人つけてマンツーマンで指導したりと色々やってきました。

 でもですね、この「いったい何を教えているのか?」の答えは、どうやらそういうことだけじゃ対応できないんじゃないかと気になりまして。
富山戻り深夜バスの出発時間まで、まんが喫茶で時間を潰すついでに考えてみました。

 最近の新人制作と新人の頃の僕を比べても、今の新人の方がよっぽど処理能力は高いし、「最近の若い奴は」と言う先輩だって僕から見れば入社半年で仕事ができていたわけじゃない。
彼らも新人のころは話にもならないようなミスを連発していたけれど、今では仕事ができるようになってきたのは、誰かが手取り足取り指導をしたからだとも思えない。
彼ら自身の中で成長を促す変化が起こったと思うんです。何だろうな。
それが鍵かもね。

 そう考えると、新人制作が実践で「ミス」をしないように細部にわたって教えることが、「いったい何を教えているのか?」と言われないよう改善する根本的な対応にはならないような気がする。
工程管理の知識を身につける実務的な指導以外のものが必要ですよね。

 うーむ。新人制作が仕事を覚える為の内面的な要素には何があるか。
意識したことは無いけれど、僕は何だったろうな。
 たぶん一つは『屈辱』。スタッフから言われる一言に応える力を持たないときの悔しさ。
だからどんどんミスをしたり、力が足りなければ辛辣な言葉で叩かれればいいんです。
その屈辱をバネにして叩かれないような仕事ができるようになればいいのです。体育会系かもしれないけど。

 一つは、ものを作っている現場に参加しているだけで幸せだと思えること。刺激的なものを作り続けたいと思えることだけど、きっとこれは教えられるものではないです。

 
 一つは、『判断の拠り所』。
現場では何が正しいとは言い切れない様々な問題が噴出します。
それでも、よりベターな結果にするために、ダメージを最小限にするために、判断する必要があります。
その判断の拠り所は、この仕事をする上で、作品を作る上で、何を大切にするか。
僕は多くの失敗と少しの成功を経験しながら、『判断の拠り所』―P.A.WORKSの理念を固めようとしてきたと思います。
 すぐに思いつくのはそんなところでしょうか。たぶん先輩制作にも訊いてみれば、僕の3つと似たようなことがあったんじゃないかな。

 あ、それなんだ。僕が制作に何を教えればいいのか。
P.A.WORKSの制作は何を大切にしているのか。
それが先輩から後輩に継承されていくようにすればいいんですね。
その理念を元に、自分のしっかりとした考えを持って、どんな状況でも闘えるような制作に育てればいいのか。

 まとめますよ。先輩制作は実務指導だけではなく、新人が現場で今何を悔しいと思い、どんな判断に迷いがあるかに耳を傾け、自分の体験を語ってやる時間をもっと持つことでしょうね。
その機会と場を意識的に作って、そこから彼らが自分で答えを出すよう導ければいい。
では、時間が来たので富山に戻ります。

土, 10月 13 2012 » P.A.WORKS Blog

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