P.A.WORKS Blog

背景表現

先日、美術監督の東地和生さんを一橋学園駅前通りのラーメン屋に誘いました。
「若い子たちが俺をメシに誘ってくれないんですよ」
「僕もですよ。みんな深夜のラーメンにつきあってくれなくなって…」
カウンター席で慰めあったわけです。

 東地さんは背景会社ではなく、小平のP-10スタジオに席を置いて作業をしています。
「制作現場の熱量を体感しながら仕事がしたい」、という理由からのようです。
彼の熱い話は面白いですよ。
せっかく美術監督の話が聞ける機会に恵まれたのだから、メシに誘って色々教えてもらえばいいと思うのです。
僕もカウンターで東地さんの話を聞いているうちに、背景に対する興味が膨らんできました。

 相馬Pは「自分が誘うと酒になりますから。それで【TARI TARI】(の美術スケジュール)が遅れたら辻Pに怒られますから」という。
あたりまえじゃないか。だから酒はいけない。
ラーメンを啜るくらいの時間がちょうどよろしい。

 最近の作品クオリティーは背景の貢献が目を引きますよね。
それでも、「今の美術表現は、私たちの偉大な先輩が生み出した表現の焼き直しに過ぎないんじゃないか」と東地さんは言います。
情報量や品質は向上しても、ガツンとやられるような新しい表現スタイルは生まれてこないということでしょう。
そこはアニメーターの作画表現と似ているようですね。

 美術をリードしてきた背景業界の先達が、どの時代にどんな表現を追い求めてきたか知りたくなりました。
1970年代半ばから1990年代半ばまでの20年間が、背景スタイルが大きく枝分かれして進化した面白い時代じゃないかと根拠も無く予想してみます。

 でもですね、その頃の美術監督が新しいスタイルを生み出すことに苦悩する姿は、どうも想像できないんですね。似合わないというか。
親分気質で、自信と力がみなぎっていて、「お前ら、俺の表現に括目しろ!」的仕事の仕方だったんじゃないかと。当時のエポックメーキングな作品からは感じます。
 東地さんにはこれからも背景業界を引っ張っていく美術監督の一人として、冒険しながら暴れて欲しいですね。
今度背景表現の歴史についてレクチャーを受けよう。

水, 5月 16 2012 » P.A.WORKS Blog

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