P.A.WORKS Blog

中指と薬指の間

幼い頃、近所に住む歳の離れた青年が、【エクソシスト】を見て夜トイレに行けなくなったらしいと噂で聞いて怖くなりまして。

以来、ホラー映画を自発的に見ようとは思わなかった。

TV放映で誰かが見ているのを、両手の中指と薬指の間からこっそり覗いていたくらい。

辻Pによると、ホラームービーはデートで親密になるには有効なのだそうです。

映画館で手や足を打ってゲラゲラ笑う男が隣に座っているより、クールにホラーを観る男の方がモテますかね、やっぱり。

無理だな。「うわっ!」とか「ひっ!」とか声出すね、俺は。間違いない。

 

【Another】の原作を読んだ印象は、ホラーではありませんでした。

この作品世界を覆うイメージ、鳴の内面を表現してくれる音楽は無いかな、と思いまして。

手元にあったCDからVincent Gallo の曲【A Cold and Grey Summer Day】を引っ張り出して、リピートで聴きながらもう一度読みなおしました。

ヒロイン見崎鳴が放つ静謐で内向する孤影と、世界を拒絶せず小さな繋がりを願う姿。

二つの対照的な姿にキュンとしてしまいます。

 

ホラー作品を作るのだからホラー映画も見てみなくては。

そう考えて観ていると、作り手視点で見てしまい興味が恐怖から別の方向に向いてしまいます。

観客の感情をテクニカルに揺さぶる演出がホラーにはてんこ盛りですね。

緊張と不安を持続させる視覚効果や絶大な音響効果、編集のリズム、それらを

駆使して視聴者に展開の予測を促しておいて、急激な緊張と弛緩を強制する演出。

ホラー作品は、映像の演出効果を学びたい人にはとても勉強になる基本教材だったんだと今更教えられました。

演出で呼吸のリズムはどのようにコントロールされるのか、ということに興味が湧きました。

【Another】を制作することで、暫くホラー作品は指と指との間から息を止めて見るものでは無くなりそうです。

あ、この制作視点なら映画館でもクールに振る舞えるのでは。

木, 11月 3 2011 » P.A.WORKS Blog

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