弾け飛ぶボタン
ズボンのボタンを付け直して欲しいとカミさんに頼みました。
「何度付け直しても取れるのは、ボタンが悪いんじゃないと思うの」
『ぐう!!』
運動せねば。
朝6時から川沿いの草刈り。川に沿って行動する熊対策なのだそうです。
午後から行き付けの床屋へ出かける。今日は歩いて。
ススキが風に揺れる気持ちの良い秋空です。
ところが第3日曜日は床屋は休み?!
このまま元の道を引き返したら、なんだか間抜けである。
このまま歩こう。
本社前を過ぎた交差点を左に折れて山に向かいました。
朝刊に載っていたスキーヤーで登山家の三浦雄一郎の言葉が頭をよぎります。
「目標を見失ったのは、60代だった。気づいたらタダのメタボな老人になってしまいまして(笑)」
それから500Mの山に登り始めて、エベレストまで登頂してしまうところは規格外の人。
ゴルフ場に向けて山道を登りながら、ここで熊に出くわしたらどうしよう、などと考える。
熊鈴はもっていない。手に持っているのは床屋で読むはずだったル・グウィンの『ヴォイス』だけ。本の背で叩かれると痛いけれど熊は倒せない。
僕にカスプロの「ギフト」を授けられていれば、熊を一瞥しただけで破壊できるのでしょうが。
右手に赤祖父山。ブナの原生林も色づき始めました。今年のドングリは豊作なのかしらん。
ゴルフ場まで登るとあとは下り坂。
本社屋上からも削られた山肌がはっきり見える丸山。
生ゆば丼の赤祖父の池にフナ釣り人の姿は無し。
池の畔に見つけた円筒分水槽。
四方に伸びる農業用水に公平に水を配分する設計になっています。
看板の説明によると、この水槽が1949年に完成するまでは、水を争って度々殺傷事件が起こったそうです。
こう云う目に見える初等科学の知恵は興味をひきますね。
福光にあるサイフォンの原理を利用した灌漑用水とか。
映画『はやぶさ』は大いに泣けました。科学はロマンです。
床屋に出かけてから2時間のウォーキングになりました。
これでボタンは飛ばないはず。もう一度だけ付けてもらおう。
来年は立山に登ろう。