P.A.WORKS Blog

墓参りにて

#24『ラスボスは四十万スイ』は篠原俊哉さんの演出が光る回でした。

さりげない光と影の演出と、色彩設計の拘りが効果的でした。

篠原さんがずいぶん時間をかけて絵を作り込んでいた墓参りのシーンには、

シナリオが上がってから、僕も個人的に思い入れがあったんですね。

「働くみんなが夢中だったあの頃の賑わいを、もう一度取り戻すことは叶わなかった」

「無理です。みんな喜翆荘が大好きなんです。その気持ちまでまっさらなんてできないですよ。もう、喜翆荘は女将さんたちだけのものじゃないんです!」

二人のやりとりに、今のアニメーション業界を被せて見てしまいます。

 

寺の縁側でスイと16歳の緒花との会話。

「だって、よくわからないんです。女将さんが言ってること…」

無理もないですよね。これが10年後だったらスイの言葉は屈辱でしょうね。

「同情なんていりません。私たちを信じて見ていてください!」

26歳のパワフルな緒花にはそう言ってほしいです。

 

あの縁側で、僕もお茶でも飲みながらスイと話がしたいですね。

今の喜翆荘を作り上げたスイの楽しい昔話に一日耳を傾けていたい。

スイの心配は解らなくもないけれど、そこは笑って聞き流したい。

そんなものは若い彼らが何とかするのです。

女将が考えているより彼らは楽しんでいるし、ずっと喜翆荘で働きたいのです。

僕は女将が作り上げたものを、しっかり緒花たちに伝えられるよう中継ピッチャーで頑張りますよ。

無用な心配はせず見守っていてください。

未来に悲観的な女将に対する反発と闘志を労いと敬意で抑えて、お互いに笑ってお茶を啜りたい。

そんなことを考えた墓参りのシーンでした。

 

この企画にはP.A.WORKS設立から10年間、制作現場で考えてきたことを反映したかったこともあって、時折岡田さんが仕掛ける台詞を今の自分に置き換えて見てしまうのです。

 

では、いざ酸辣湯麺、もとい、最終話ビデオ編集へ出発!

水, 9月 21 2011 » P.A.WORKS Blog

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